何が変わったのか全ての記事を見る
4分間で読む-セバスチャン・シュッツ&メリー・インボング

ニューノーマルのオンライン・アクティビズム

ドイツでは、公共の場での集会が制限されているため、キャンペーンはバーチャルで行わざるを得ない状況にある

Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)のキャンペーン・サポーターとして、私たちは、キャンペーン発信者がキャンペーンの成功に向けて行う活動をサポートすることに多くの時間を費やしている。その中で、公共スペースで直接対話するデモを組織することをサポートすることもよくある日常の業務だった。ところが、新型コロナウイルスが流行し、#StayAtHome(ステイ・アット・ホーム)が実施されると、私たちのプラットフォームで立ち上がるキャンペーンが2倍に増えた。そして、それをサポートする場合にも、これまで以上にクリエイティビティを発揮する必要が出てきた。

コロナ禍に立ち上がったキャンペーンのひとつで、私たちがサポートしたものにベルリンを拠点に活動するフリーランスのファッションデザイナー、トニア・メルツが発信者となったキャンペーンがある。パンデミックによって生じた経済的負担が身にしみた大勢のフリーランスの1人として、彼女は新型コロナウイルス危機の間、政府に最低所得保障を求めるキャンペーンをスタートさせた。キャンペーンの進展にともなって、私たちは新型コロナウイルスの発生以前から最低所得保障を積極的に主張していたドイツ国内の他組織も含む賛同者のネットワークを組織した。

トニアや協力してくれる仲間たちとともに、私たちは対面型のデモをオンライン環境で組織するにあたって、いくつかの原則を適用することにした。その結果、キャンペーンを政策決定者から注目される規模に育てていくことを目的に、Twitter12時間のオンラインデモを行うという形をとることになった。

この試みが成功につながった要因として下記が挙げられる。

1.協調体制の構築:コミットしている個人とコラボレーションをする

トニア自身は、始めからから自分のキャンペーンに賛同を集めることに前向きだった。彼女のキャンペーンはローカルメディアを惹きつけ、ドイツで最低所得保障を主張していた地元の組織から注目を集め、賛同を得ることができた。 

そこで私たちは、定期的に連絡をとることができるチャットグループをスタートさせた。トニアはChange.org(ドイツ)のチームとともに、協力してくれる組織とオンラインで会い、次にできることを計画した。

2.計画立案:何をどのように達成するのかを決定する

私たちは、キャンペーンを政策決定者にまで届けたいと考えていた。そこで、ひとつのグループとして、Twitterでオンラインデモを企画した。参加している人や組織が持つすべてのソーシャルメディアのアカウントの力を合わせて、できるだけたくさんの数の賛同者を集めようというアイデアを出したのである。 

3月26日にデモを実行することで合意し、私たちの組織が行おうと計画していることと、それぞれがどのようにこのデモに貢献できるかについて、アイデアを交換した。

3.あなたのメッセージを伝える:あなたのコンテンツを準備する

トニアは、Change.orgのキャンペーンページを通じて、定期的に進捗を投稿することによって、キャンペーンの賛同者たちと情報を共有していた。その一方で、私たちのパートナー組織は、このキャンペーンに関心を持ちそうな人たちのネットワークへ拡散していった。新たなキャンペーンの賛同者たちが自らの思い入れやパーソナルストーリー、または自分たちの住む地域特有の制限やルールに抗議するためのアイデアを持って、キャンペーンページに訪れるまでそれほどの時間はかからなかった。私たちはこうして情報を集めて、デモに活用できるコンテンツを集めることができた。

また、自分たちのメッセージをより明確に伝えるため、キャンペーンのためのブランド(Change.orgのブランドではなく)をつくることで一致した。このブランディングアプローチは、キャンペーンメッセージを明確にするのに役立った。

4.プログラムマッピング:デモに含むべきものを想定する

対面型の抗議と異なり、デモを展開する上で、誰が、そしてどのくらいの人が関わってくれるか判断するのは難しい問題だった。そして、Twitterのようなプラットフォームの場合、週に7日、1日24時間さまざまなコンテンツが溢れているので、その中で注目を集めることは簡単なことではない。 

デモに参加するという経験を再現するために、私たちは公共の場で人々が実際に集まり、デモを行う時と限りなく近い形になるようプランニングをした。この運動に参加する方法を説明するウェルカムツイートトニアからのビデオメッセージ(集まった場でデモの前に行われるスピーチのように)、キャンペーンの賛同者たちからの言葉、政策の決定権者からのビデオレスポンス(ハイライト)、デモンストレーションに参加した人々による投稿のリツイート、12時間に及ぶオンライン「集会」の様子を要約して伝えるグラフィックなどを揃えたのである。

イベントの前には少なくとも30の投稿を用意したが、デモ当日は更に多くの投稿をすることになるだろうと想定していた。

5.エンゲージメント:賛同者たちとのコミュニケーションを忘れない

ひとつのグループとして、午前7時に私たちそれぞれのTwitterアカウントから同時にオンラインデモを開始した。その日は一日中、臨戦態勢で臨み、バーチャルゲストに対応して、ターゲットである政策の決定者にツイートするように促す体制をとった。

また、2時間置きに投稿する方法をリツイートし、途中からデモに参加した人たちに対して#GrundeinkommenJetzt(今こそ最低所得保障を)というハッシュタグを全ての投稿に付けるように周知した。情報の一貫性とデモ参加者との密なコミュニケーションが連帯の要となった。

そして、私たちはキャンペーンが展開する最中も、Twitterコンテンツにできるものはないかという視点を忘れずに1日を過ごしていた。その成功例のひとつは、私たちの政策の決定者の1人がその日に有名な地元のYouTuber(ユーチューバー)のインタビューをライブで受ける予定であると知ったことから始まった。政策決定者に宛てたツイートすることによって、コメントを得られる可能性があると考え、政策決定権者に宛ててツイートし、キャンペーンの賛同者たちにも同じことをしようと呼びかけた。私たちや賛同者たちの呼びかけにより、政策決定者はインタビューの間にキャンペーンについてコメントしてくれたので、私たちは彼のコメントをまとめた短い映像をシェアした。

6.クロージング:イベントを振り返り、勢いを失わせない

3月26日の夕方に掛けて、#GrundeinkommenJetztのツイート数は5,000を超え、ドイツのTwitterのトレンド1位となった。これだけの成果を上げることができたのは、フォロワーやオンラインデモの参加者からのオーガニックなコンテンツが多く寄せられたことによるところが大きい。

そして午後7時1分、私たちはこのイベントが残したインパクトをまとめた投稿をもって、デモを終了した。このデモに関する最後の投稿で、私たちは参加してくれたフォロワーに感謝を表し、彼らがキャンペーンを成功させるためにいかに貢献してくれたかを伝えることが大切だと感じた。成果を示し、感謝を伝えることで、今後も対話や議論を続けていくことの必要性を伝えることもできた。その結果、その夜から数日間はより多くのツイートがされ、イベントの勢いはしばらく衰えなかった。

筆者: セバスチャン・シュッツ
コミュニケーション/ブランド キャンペーニング・リード(Change.org ドイツ)
筆者: メリー・インボング
ラーニング・アソシエイト(Change.org財団)