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4分間で読む-ヤム・リンプラユーンヨン&メリー・インボング

声をあげ始めた障がい者たち

厳しい制約に立ち向かうために声をあげるタイの活動家たち

Photo credit: Kengnews

1月13日、タイは中国以外では最初の新型コロナウイルス感染者を出したことが報告された国となった。しかしながら、タイ国民は、政府の対応が遅すぎるのではないかと不満をあらわにしていた。この国で新型コロナウイルスの感染者の第1号が確認された後も医学的な予防措置が迅速に講じられなかったのは、明らかだった。当局が全国的な緊急事態宣言を宣言したのは、3月末になってからのことだった。そこで、はじめて大規模集会が禁止され、公共スペースが閉鎖となり、全国規模で外出禁止令が発令されたのである。

新型コロナウイルスに見舞われた他の国々の例に漏れず、一般国民は店舗などの休業や全国的な制限措置に対処するのに困難を強いられた。街頭での抗議運動も制限されたため、タイ国民は私たちのプラットフォームを利用して、キャンペーンを立ち上げることで政策の決定権者たちの説明責任を追求した。政府が対策をとらないことに起因する不穏な雰囲気が広がる中、人々は声をあげて、現状を変えることを求めるようになっていった。 

他国と同じように、経済的に弱い立場にあるグループがスタートさせたキャンペーンの波が起きたが、これらはパンデミック以前であれば、彼らが人々の賛同を求める方法としてChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)に頼ることは考えられなかった。タイでは、障がいをもつ人々(PWD)のコミュニティが示唆に富んだ例を提供している。

Change.org(タイ)では2019年、PWDの福祉と権利の主張を支援するキャンペーンが38万8,064の賛同を集めた。この数は、新型コロナウイルスが流行してから更に81%増加した。

新型コロナウイルス関連の多くのキャンペーンが次々に立ち上がっている中、障がいをもつ人々に対する経済的支援を加速化させるように訴えた、特に注目を集めたキャンペーンがある。 

タイ障がい者協会会長のスチャルト・オワトワンサクが立ち上げたこのキャンペーンは、政府に「200万人の障がい者を置き去りにするな」と呼びかけるもので、現金の支給(月に米ドル換算で約166ドルを少なくとも3カ月間)を求めるものであった。障がい者エンパワメント局 によれば、タイで障がいに苦しむ人々は199万5,767人に達するが、スチャルト氏もダウン症と診断された息子を抱えている身である。

スチャルト氏やその賛同者たちは、人並外れた粘り強さを発揮した。このキャンペーンが立ち上がって以来、全国メディアはコロナ禍における障がい者のストーリーを報道するようになり、7月末現在でこのキャンペーンに対しては少なくとも7,000人のユーザーが賛同を寄せたのであった。

Campaign featured in Thai PBS

タイの閣僚たちはその後、登録された障がい者200万人に対する補償として1,000バーツ(約33米ドル)を支給するプロジェクトを承認した。さらに、12万人の登録障がい者に対する手当を月当たり800バーツから1,000バーツに引き上げることも提案、これは2020年10月1日から実施される。

2018年以来の障がい者に対する支援を求めるキャンペーンのパーセンテージ

スチャルト氏は現在も引き続き、自分のキャンペーンに対するさらなる賛同を求めており、障がい者たちが必要とする配慮や支援を受けられるような変化の実現に影響を及ぼそうと人々に語りかけている。 

キャンペーン・サポーターとして、私たちはこうした市民活動の変化から、障がいや経済的困窮は、「無力であること」と同義ではないことを改めて考えさせられた。大きなアクションを起こすことは、誰にでもできるのだ。

筆者: ヤム・リンプラユーンヤン
キャンペーン・ストラテジスト(Change.org タイ)
編集者: メリー・インボング
ラーニング・アソシエイト(Change.org財団)